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薬剤師転職ステーション

  • 40代薬剤師が活躍する仕事場

    薬剤師としての40代は再スタートの好機

    一般の会社員における40代というのは、ようやく下積みの時代が終わり管理職やマネジメント職として自分のキャリアを実現できる時期です。
    薬剤師にとっても40代というのは非常に重要な時期であり、その企業内でのステップアップや他業種への転職など複数のルートを選択することができます。

    これは薬剤師という仕事が特殊な知識を必要とする専門職であるということと、転職をする薬剤師たちを前提に受け皿を作っている企業が多いということに関係しています。

    薬剤師としてのキャリアをスタートさせることができるのは最短でも24歳からであり、そこから実務経験を重ねてようやく一人前の薬剤師としての仕事ができるようになります。
    薬剤師という資格で転職ができる仕事は多いですが、その中には単に資格があるだけでは足りず特定の業務を経験しているということが条件になっているものも少なくありません。

    仕事を覚え自分なりの薬剤師としての立ち位置を確立することができるのは40代くらいになってからという人が多いので、そこからのキャリアについてはぜひ一人ひとり真剣に考えていってもらいたいところです。

    思い切った民間企業への転職が増えています

    薬剤師としての就職先で最も多いのは調剤薬局ですが、それらの多くは個人開業として行っている小さな企業です。
    ですのでそちらに勤務する人の多くもまた同じように「将来は自分でお店を作りたい」と思って仕事をしていたりします。

    美容師などでもそうなのですがそうしたやり方はお店の数が社会全体で少ない成長期にはよいのですが、現在のように既に多くの店・企業が出店している中においては新たに独立しても必ず成功できるという確証はありません。
    むしろ既に常連のついているお店に負けてしまい自分で開業することすら難しいということもあります。

    そこで近年増えているのが調剤の現場から離れた転職です。
    企業内で勤務する企業薬剤師や、治験などを行う製薬会社スタッフ、ドラッグストア店長などは薬剤師の資格とはまた別の能力が問われる仕事です。

    ですがこうした仕事はまだまだ成りてが全体的に少なく、能力次第でかなりの高給をのぞむことができるチャンスのある仕事です。
    40代以降にもう一度キャリア積み上げをするという意味でそうしたキャリアの転向はとてもおすすめできます。

  • 疑義照会の重要性

    処方箋に対しての最終的な責任者としての役割

    日本における薬剤師の役目は、医師によって出された処方箋に従って必要な薬を患者さんに出していくというものです。
    これは過去には調剤は病院内でのみ行われることとなっていた時期にはほぼ流れ作業的に書いてある内容に従って出すものということになっていたことです。

    ですが日本において「薬害」の問題が大きくクローズアップされるようになったことにより、単なる薬を出す作業担当者としての薬剤師ではなく、主体的にその薬の良し悪しを判断する専門的役職としての薬剤師が社会的に求められるようになりました。

    現在では病院内薬剤部は入院患者や院内で処方される薬品のみの取り扱いをすることとなっており、外来患者に対して出される処方箋の調剤は外部の調剤薬局などの薬剤師が独立して担当することになっています。

    そうした医薬分業によって可能になったことの一つに「疑義照会」というものがあります。
    「疑義照会」とは発行された処方箋について薬剤師が内容に疑問があった場合その担当医師に対して問い合わせをするということです。

    「疑義」とは例えばその薬品の分量が間違っているのではないかと思われるケースや、その患者さんが他に服用している薬がある場合に飲み合わせに問題があるのではないかと思われるような場合のことです。

    他にもそれをそのまま処方することにより何らかの問題が起こると思われる場合にはどんなことでも薬剤師は医師に確認をとることができるとされています。

    努力ではなく義務として行うべきこと

    この「疑義照会」は、薬剤師がやってもやらなくてもよい努力項目というわけではありません。
    薬剤師という資格について定めた薬剤師法では第24条に「処方箋に疑わしい点があるときには、(中略)その疑わしい点を確かめた後でなければ、これを調剤してはならない」というふうに定められています。

    つまり言い換えるなら、もし手元に渡された処方箋の中に何か少しでも疑問に思える点があった場合にはそれを確認しないことは薬剤師としての義務違反ということです。

    過去の薬害事件の多くはこうした処方箋どおりにそのまま使用してしまったがために起こったというケースが非常に多く、そうした事件が相次いだがために医薬分業の動きが日本国内で急速に広がったと言ってもいいくらいです。

    若い薬剤師にとっては過去の薬害事件はリアルタイムで見ていない分実感のないことかもしれませんが、その結果として起こる事態の大きさは現在活躍中の中堅以上の薬剤師ならばよく知っていることです。
    面倒とは思わず小さなことでも確認するという姿勢は、年代にかかわらず多くの薬剤師に持ってもらいたい心がけです。

  • イギリスの薬剤師事情

    イギリスにおける薬剤師活用の動き

    2015年3月にイギリスのBBCテレビが国内での医師不足を解消するために今後は薬剤師を多く活用していく方針だという趣旨のニュースを報道しました。
    これは英国における家庭医学会および薬剤師協会が提言をした内容とのことで、増える高齢者と患者に対応をしていくため不足している医師だけでなく薬剤師もチームとして協力していくことが望ましいというふうに結論づけています。

    この動きの本質を知るためにはまず英国における医療制度について知っておく必要があります。
    英国内において医療サービスの基本になっているのは「GP(General Practitioner)制度」で、これは簡単にいえばそれぞれの家庭にかかりつけ医を決めておき、まずはそちらで病気の診療を受けるようにするというふうなしくみです。

    英国では「NHS(National Health Service)」という政府が運営する国民保険制度があり、税金を支払うことにより一般国民が安い金額で医療を受けることができるようになっています。
    この医療サービスは原則無料で提供されることになっており、イギリス国籍がない人であっても6ヵ月以上合法的に滞在できるビザを持っていれば加入資格があります。

    加入をすると医療に関する費用のほとんどを無料で受けることができるということもあり、英国民以外でもかなりの人がこの制度を利用しています。
    しかし一方で利用者が増えると当然にGPとなるかかりつけ医の負担も大きくなるので、必要な医療を必要なタイミングで受けることが難しくなってしまうのです。

    そこでこのGP制度を充実させるために提案されているのが薬剤師の利用で、慢性的な疾患の場合などには医師を通さなくても薬剤師が定期的な診療を行うことができるようにしようというのが今回の動きとなります。

    イギリスにおける薬の分類制度と資格

    もう一つイギリス国内の薬剤師事情を知る上で大切なのが薬の分類です。
    日本においても「第一種医薬品」「第二種医薬品」「第三種医薬品」といった市販薬(OTC)の分類と、医療用医薬品の区別がありますが、イギリスにおいても同様に薬の種類によって扱うことができるお店が決まっています。

    イギリス英語の教科書にもよく出てきますが、日本における「ドラッグストア」にあたる言葉は三種類ありそれぞれ「ケミスト(Chemist)」「ファーマシー(Pharmacy)」「ドラッグストア(Drugstore)」として呼ばれています。

    このうち「ケミスト」や「ドラッグストア」では薬品類の調剤をするだけでなく市販薬を取り扱ったり、食料品や生活雑貨を販売していたりします。
    もう一つの「ファーマシー」は薬局に一番近く、調剤をするための場所として置かれています。

    薬品の分類は「自由販売医薬品」「薬局販売医薬品」「処方せん医薬品」として区別をされており、このうち「薬局販売医薬品」は薬剤師がいるお店でなければ販売することが出来ないこととされています。

    イギリスは世界でもっとも医薬分業が進んでいる国とされており、医師とは全く別の組織として薬剤師は調剤を担当しています。
    つまりこれまではGPという医師の診療とは別に、患者さんが個別にどこか市内の薬局に行きそこで担当の薬剤師さんに調剤をお願いしていたということです。

    イギリスの薬剤師課程は4年間

    今後重要度が増すイギリスの薬剤師ですが、国内で資格を取得する場合には4年制の大学に通い修士号をとるということが必要になっています。
    日本における薬剤師課程は6年間なのでやや不安に感じるところですが、実際には4年制の課程が終わったあとに1年間のインターン期間を置きそこからさらに国家試験を受けるという流れになるので取得の厳しさはかなりのものとなっています。

    言い換えれば非常に実務面を重視した試験制度となっているということで、資格を持っている人は少なくとも1年以上は実際の薬局の現場にいたということになります。
    今後益々権限が拡大することが予想されるイギリスの薬剤師なので、動きには大注目をしていきたいところです。

  • アメリカの薬剤師事情

    アメリカにおける薬剤師の社会的地位

    薬剤師の仕事の将来性を見る意味で大変参考になるのがアメリカにおける薬剤師の仕事です。
    日本においては薬剤師という仕事はもともとは病院内で医師の処方箋を受けてその通りに薬を出すといういわば補助的な仕事としてスタートをしていますが、アメリカでは全く違った扱いとなります。

    日本とアメリカの薬剤師事情で最も大きな違いとなっているのが社会的地位で、街中にあるドラッグストアに勤務している薬剤師は市民の健康に密着した独立した薬のプロとしての仕事をしています。

    この違いのもととなっているのは日米における健康保険制度で、日本における国民皆保険制度においては病気になったときの医療費が安いことから何か症状があったときにはすぐに病院や診療所を訪ねることになります。
    しかし国による健康保険制度のないアメリカでは、民間の保険に加入していない人にとっては医療費は大変高額なものとなるので、ほとんどが薬によって治すという選択をします。

    ですので病気になったときに最初に駆け込む場所が病院ではなく薬局ということになり、それだけに市民の健康により近い存在となるわけです。
    さらにアメリカにおける薬剤師はその薬の効能だけでなく、民間の保険の適用がされるかどうかといったところも判断して提供することになるので、薬以外にも保険制度の知識も深くなくてはいけません。

    資格者として許される医療行為の範囲もかなり広くなっており、医師とはまた別の全く独立した存在として健康相談や治療にあたっていくことができるのです。

    日本の薬剤師資格はアメリカでは使えない!?

    こうした業務範囲の違いもあることから、日本で取得する薬剤師資格はそのまま米国で使用をすることはできません。
    これは医師や看護師の資格が語学の壁さえクリアすればほとんどそのまま使用できるということと大きく異なる点です。

    もし日本で薬剤師資格を持っている人がアメリカに渡って仕事を続けたいと思うなら、再度アメリカ国内にある薬学部に在籍するか薬学試験を受験しなければいけません。
    さらにそうした課程の修了後にもインターンとして実際の現場で研修をすることになります。
    そのうえ米国の薬剤師試験に合格をしなければいけないというふうになっているので、日米で薬剤師の地位の違いがよく現れている例と言えます。

    こうなるとほとんどアメリカでは一から薬剤師のための進学をするのも同然なので、実質的には同じ薬を扱う仕事といえども全く異なる仕事であるというふうに認識しておいた方がよいのかもしれません。

    アメリカの薬剤師はコミュニケーションスキルを重視

    もう一つアメリカの薬剤師資格で特徴的なのが、学科の中にコミュニケーションに関する授業があるということです。
    日本でも薬剤師として勤務していく上でコミュニケーションスキルは大変重視されていますが、それを学科として教えるというところまではしていません。

    また薬剤師として仕事をしていく上で必ず必要になるPCスキルやデータベースの扱いも同時に覚えていくことになります。
    なおアメリカにおいては「薬剤師」の他に「調剤師」という調剤だけを担当する資格もあり、一つの薬局で一緒に働くようになっています。

    アメリカにおける薬剤師の平均年収は日本円に直して1千万円を超えており、日本における400~500万円の倍以上となっているのもそうした違いの現れです。